私たちが日常を過ごす中で身についていく習慣。
意識して身につけるものもあれば無意識に身についてしまっているものもあります。
一旦身についた習慣は、良い悪いに関係なく条件反射的に思考や行動に反映されているものです。
今回は
- 習慣ができる過程
- 無意識に身についている習慣について
- 否定的な習慣がおよぼす影響
などの話をします。
自分にどんな習慣があるか見てみると、また新しい発見があるかもしれません。
悩みの解消ポイントにもなる習慣の話、ぜひ参考にしてみて下さいね。
『習慣』は潜在意識に刻み込まれた『無意識の行動』
私たちが習慣を身につけ自分のものにする過程は
- 情報を入力し
- くり返し練習する
この2つのみです。
乗物の運転や楽器や運動なにかの技術習得に至るまで、くり返し練習を重ねあえて手順を考えなくても自然と身体が動くようになったら習慣になったということになります。
身につけたい情報が潜在意識に定着すること=習慣、とも言えます。
思考も同じ、幼い頃から育った環境や日常的な会話などでくり返し入ってきた情報によって、ポジティブに考えやすい習慣になるかネガティブに考えやすい習慣になるかが決まっていきます。
今回はこの『ネガティブな習慣』に視点を当てていきます。
ネガティブ(否定的)な習慣はいつ潜在意識に入り込む?
最初にできあがる思考の習慣はだいたい6歳までに植えつけられます。
ことに否定的な体験は”恐れベース”で心に残ることが多く影響力も大きいとされています。
否定的な感情が襲ってきた際、その理由がわかっている場合は6歳以降に、わからない場合は6歳以前にできた習慣とされ、記憶が抑圧され思い出すことさえ困難だと言われています。
否定的な習慣がなぜできてしまうのか?
原因も併せ、その性質などについて見ていきましょう。
抑制的習慣
抑制的習慣とは「わたしは〇〇したくない」という感情です。
「時間を守りたくない」「我慢したくない」「高いところに行きたくない」「仕事に行きたくない」「ものを食べたくない」諸々
過去に厳しく怒られた経験や心身の辛い体感、生命の危機にさらされたなどの理由から、拒否反応となって習慣化されてしまいます。
脅迫的習慣
脅迫的習慣とは「わたしは〇〇しなくてはならない」という感情です。
私たちの大半が「しなければならない」ことで1日を過ごしているのではないでしょうか。
この習慣はさらに細分化されており、代表的なものに以下の3つがあげられています。
時間恐怖
時間恐怖とは「時間通りにやらないと〇〇になる」という思い込みです。
怒られる・遅くなる・仕事がたまる・楽しい時間が減る…〇〇にはもちろん否定的な言葉が入ります。
時間で動くわたし達にとっては時間を意識しないことの方が難しいものですが、重症になると時間を守れないことでパニックになり理性的に行動できなくなることもあります。
ある地域の交通事故の調査では、原因の約80%が「急いでいた」「遅れそうだった」という理由であり、時間恐怖に縛られている人が非常に多いことが浮き彫りとなりました。
また時間恐怖を習慣にしている親に育てられる子供たちは、それを当たり前の習慣として身につけてしまうため、このような負の連鎖を無意識に継承している例は少なくありません。
秩序恐怖
秩序恐怖とは、整理整頓を過度に気にする状態です。
家具の位置がちょっとズレた、まっすぐに並べられていない、着たものが放りっぱなし、シーツにしわが寄っている…
見た目の秩序が乱れている状態を逐一注意されたり厳しく罰せられるなどの経験があると、やがて秩序恐怖が身についてしまいます。
活動恐怖
つねに「何かをしていなければならない」思い込みに縛られている状態です。
いつも忙しくしている親から植え付けられることが多く、くつろいだり休むことをまるで「悪いこと」のように認識しています。
「そんなヒマそうにしているなら〇〇をやったらどうだ、〇〇もできるだろう」…と延々と続く状況や、自身で思い続けることで活動恐怖が身についてしまいます。
自分の中の否定的な習慣に気づく重要性
知らず知らずに身についてしまっている否定的な習慣は百害あって一利なし、気づいたら即手放すことをオススメします。
理由は2つ
- 脅迫的な思い込みに気づくことで理性的に行動でき負の感情を激減することができる
- 脅迫的習慣を持っていた場合、子どもに受け継がせることなく負の連鎖を断つことができる
なにかの出来事に対して笑って済ませられる人や怒る人など捉え方は様々ですが、それらは全てその人の中にある習慣や常識などの「思い込み」が原因しています。
不快な感情になったとき自分にはどんな思い込みがあるのかを探ってみると、それまで気づけなかった否定的な習慣を見つけられるものです。
見つけられれば手放せたも同然、自分を客観視した上でその否定的習慣と切り離すことができます。
否定的な習慣を手放した実体験
わたしの場合、上記から言えば抑制的習慣と脅迫的習慣の活動恐怖が特にヒドい過去だったかと思います。
「〇〇しなさい」が多い家庭で育ったので、子どもの頃から何をするにも、動機は「〇〇したくないけど、やらなきゃ…」が圧倒的に多い心境でした。
自発的な発言は大抵「ダメ」と否定されたので、そのうちあまり話さなくなり渋々従っていたような状態が続き、いつしか抑制的習慣が身についていきました。
それは無意識に大人になっても続いており、仕事も家事も雑事も基本は「やりたくない、でもやらなきゃ…」でこなしていましたが、あるとき自分の行動に疑問を持ち始めました。
「わたし、何でこんなにすべての事を嫌々やってんだろ?」
やりたくないことはやらなくてもいいし、やりたいことに変えればいいし、大変なら手伝ってもらってもよかったのです。
そんな簡単な事でさえ無意識の中では気づくことができず、ただイライラ悶々としながら日々やるべき事をこなし続けていたのでした。
自分の悪しき習慣に気づくと、ハッとさせられ気持ち的にも一気に変化します。
状況は自分でいかようにも変えられることがわかると気が楽になり、きのうと同じ行動が不思議と苦痛ではなくなりました。
仕事の好きな面に目を向けられるようになり、家事も義務感で捉えると嫌だっただけで、料理も掃除も洗濯もどれも自分にとってはさほど嫌いな作業ではないことに改めて気づけたのでした。
「やりたい」気持ちを大切に日々の活動をこなすようになってから、抑制的習慣は極力なくすことができました。
活動恐怖で思い出すのは妊娠・出産の頃のことです。
仕事をいったん休みにして数ヶ月、漠然と世間に対してか(?)なんだか申し訳ない気持ちでいっぱいになったのを覚えています。
「何もしない自分はダメ人間」「価値なし」「働かないのに存在していいの?」と自分責めの辛い日々がしばらく続きました。
わたしの場合セルフイメージがヒドく低かったこともあり、活動恐怖を解消するのに少し時間はかかりましたが、やはりこの習慣に気づけたことで手放すことができました。
自分の過去にやってきたことをどんなに小さいことでも一つ一つ肯定していき「どんな自分もOK」と受け入れられるようになってから、活動恐怖はすっかり消えてなくなりました。
まとめ
日常は習慣でできていると言っても過言ではありません。
歩行も食事も言語も…生きるための基本行動は習慣で成り立っているようなものです。
注意すべきはいつの間にか身についている否定的な習慣。
その習慣によって自らを苦しめることも少なからずあることを知っておきましょう。
なにか不快感を味わったときは、自分に否定的な習慣や不要な思い込みがないか観察し、つねに見直しながら良い習慣だけを残していけるよう取捨選択していきたいですものです。
最後まで読んで下さりありがとうございました!
コメント